テントミータカ、山と猫の記憶

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zoom RSS 4/20福島・奥会津・只見町のエベレスト「笠倉山」山行記、詳細

<<   作成日時 : 2007/04/23 18:07   >>

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2007(H19)4/20福島・奥会津・只見のエベレスト?憧憬、残雪期の藪尾根往復の山。静かで贅沢に日帰り頑張り登山。只見町の「笠倉山994m」を歩いてきました。塩川林道からの笠倉山往復。

速報記事は こちら


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古くからの参考書、石井光造氏「静かな山歩き」より抜粋

 笠倉山というのは、只見に三つある。笠は山が「笠」のかたちであること、倉は山頂付近が岩峰であることを意味している。この笠倉山が、心を占めるようになったのは、学生の頃、「山と渓谷」の「気になる山」という特集記事を見て、五万分の一「只見」を買い、岩に囲まれた頂を見出したからであった。
 会津塩沢の無人駅を出ると、前の畑で仕事をしていたおばさんが、「何しに来た」と聞く。「笠倉山へ登りに来た」というと「今は雪が飛ぶで、沢に入っちゃなんねぇ」とのこと。雪が飛ぶとは底雪崩のことらしい。「右手に見えるブナの尾根を登るといい」と教えてくれた。

 ブナと残雪の尾根を汗まみれでひたすら登る。クマザサを掻き分けて目の前が開け、砂のガレ(崩壊地)に出る。ここは稜線が一筋の線になっているヤセ尾根で肝を冷やす。ドキドキしながら渡ると残雪がビッシリ着いた肩になる。ここからは緩い傾斜となり、雪尾根を慎重にたどると、三角点標石だけがポツンと立つ頂上に着く。ここだけは、雪がなく、春の陽に暖められた黒い土があった。
 山頂からの眺望は、とても1000m級の山とは思えぬ素晴らしいもので、越後・南会津・只見の真っ白な山々が取り囲んでいる。鷲が倉山・蒲生岳・中の岳・越後駒ヶ岳・未丈ヶ岳・鬼ヶ面岳・浅草岳・八十里越・守門岳・烏帽子岳・・・

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打田^一氏、新ハイ四月初旬敗退記録より抜粋

 民宿の脇から塩沢川右岸の林道に入れば行く手の谷奥に、一目でソレと分かる笠倉山が姿を見せる。目前にする笠倉山はどことなくエベレストのような雰囲気を漂わせ只見のエベレストと言いたいようだ。除雪はじきに終わり、50センチほどの雪上に出て、ワカンを着ける。
 橋を渡り広い雪原を左岸の林道に出たまでは良かった。右から入る五次郎沢が氷河を思わせるデブリに埋められても、「もう雪崩は落ちきったから大丈夫」と楽観していた。
 その先のデブリが押し出し、セラック帯を思わす様相を呈していても、バラエティー豊かでなかなか楽しませてくれる、とにんまりしていた。そこを抜ければ谷は再び広がり、おおらかな雪原を行くようになる。
 左から立安沢が入れば少し先で栃の木橋を渡り、笠倉山の取り付き点に達するはずだった。ところがわずか狭まった急峻な谷にデブリがのびている。当然林道をも埋め、堅雪の斜面が左下の谷底へ落ち込んでいた。ワカンではスリップするからと外し軽アイゼンに代えたが、それで片付く相手ではなかった・・・
 
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お二人の記録から、

残雪のコンディションとルート選択のセンスが、この山の登頂に大きく関わってくる難しそうな山(もちろん、他人のトレースも当てにできない)と、判断。
十数年来、まさに久恋の山だが、昨年の「鷲が倉山」(関連記事はこちら )で、笠倉山を目前にし、好適期を狙っていた。

近年刊行された「会津百名山」にも載っているが、秋の藪ルートで紹介されており、日も短いし、亀足のテントミータカ隊にはきつい。得意の残雪期を狙う。

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2007(H19)4.20(金)、快晴

(行程)
会津塩沢・塩川林道途中駐車−栃ノ木橋―林道終点から山道―笠倉沢手前東尾根―笠倉岳―往路を戻る


前日夜発、只見町某所にて車中泊。
付近の残雪、昨年同時期より、ぐっと雪が少ない。フキノトウ出始め。

AM7:30標高約325m、快晴を予告する朝霧。塩川林道集落のはずれまで乗り入れ、軽トラの林道の様子見らしき地元のオジサンと挨拶。今年の雪の様子、林道の様子を伺う。

すぐ先、林道に積雪多く、車の侵入不能。

塩川林道集落のはずれ駐車地。付近霧が立ちこめ視界ゼロ。

カタクリ・キクザキイチゲ、朝露に濡れ、ショボンと準備中。

(登山準備)
念のためワカン、熊鈴・ピッケルは標準装備。
硬い残雪斜面でもキックステップがやりやすいよう、靴底が固い革靴。

AM7:30出発

杉の植林林道は数箇所積雪20センチ、路面に融水。
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昨年なら塩川にばっさり被さっていて、三国ダム十字峡並みのの危うい雪斜面となっているだろう谷間の残雪、数箇所。

                    林道路肩が出ているので、難なく通過。
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林道脇の壁、豊富な湧き水、苔むして滴る清冽な水、美味しそう(帰路、ここでアズマシロガネソウの撮影)

                         塩川本流も綺麗な流れ。
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AM7:48林道右の丘、水道施設?。

ようやく朝霧が晴れ、めざす笠倉山の岩峰が目前に聳える
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AM8:00「栃の木橋」通過。付近のカヤト雪融けにカタクリ・キクザキイチゲ咲き始め
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AM8:05半壊の青緑の作業小屋、通過。杉の植林
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「馬尾滝」案内道標。
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AM8:30石井氏がテント泊場と思われる小沢通過、林道終点。ここから山道

細い山腹のトラバース道の林道は数箇所、雪の斜面で通過に緊張、滑ったら下の沢に・・・。

ユキツバキとミズナラの天然林

登りやすそうな取り付き山肌の尾根・雪渓を観察しながら進む。どこから登っても、笹薮は少なく取り付きやすそうに見える。

AM8:40標高約500m、ここから藪と残雪の急坂の尾根を登るので、カメラをしまい、急登開始

雪を拾い、ユキツバキ主体の林床。藪が被らず、登りやすい、快調に詰めていく。

持参の紙テープで念入りにマーキング。

快晴の空、「日焼け止め」も、マメに塗りつける。
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もう少し先の尾根が、緩やかな斜面で、予定より一つ手前の尾根に取り付いたことを確認。
戻るのも勿体無く、上部が合流しているので、そのまま進む。

AM10:00標高700m、横山・会津朝日の白い山並みが浮かび、格段に展望が良くなる。
周囲のスラブ。モヒカン尾根の風景は、まさに豪雪地帯の山の様子。

雪のしっかり付いた斜面から途中の尾根に抜け休憩
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                      AM10:05赤味の濃いイワウチワ群生
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意外と登りやすい残雪の尾根に感謝

一ヶ月前の谷川岳前衛鋒・小出俣山の藪尾根の方が相当いやらしかった
※小出俣山の関連記事は こちら

誰もいない。鳥の鳴声・カモシカの糞のみ、静かな貸切の山中。ブナの大木多し。
ブナ大木に山師の刻印、古くから歩かれた尾根らしい。

岩峰下の急斜面、雪の具合が良く、拾って詰めていく。

藪にマンサク、処々に咲き乱れる。

二箇所、融雪の沢。苔むしていて清冽な融水に見え、美味しそう。

付近の雪斜面、伏流水の沢音。抜けないように雪面ルート取りに注意し、高度をぐんぐん稼ぐ。

AM10:51標高750m雪原と岩壁が懐かしい鷲が倉山、大きく羽を広げている。奥の白い山は会津朝日。
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正式?予定の尾根と合流、上部に目立つ松の大木を目指す。付近から地面に踏み跡あり。秋の藪ルートと合流か?藪ルートの正式道?赤ビニルテープ出現。

AM11:55標高950m黄色テープ、雪で倒れたマンサクの藪を乗り越す。
直下の雪田「山頂肩の雪田」着。

AM12:00標高970m山頂がここから近そうな藪尾根、目前。
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マンサク・シャクナゲと松と笹の藪尾根(ズボン・手袋が破ける)に取り付く
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                 山頂部緩いアップダウンの藪尾根に突入
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PM0:20三等三角点の「笠倉山994m」山頂。雪のほぼ消えかかった小広場。ここで、ようやく山頂ラーメン・大休止。

日当たり抜群で、熱いラーメンはイマイチ。コーヒーと果物でのどを潤す。日焼けで顔が痛い。
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抜群の展望、浅草岳・守門・粟・室谷林道から魚止山〜矢筈岳・目前の鷲が倉山・蒲生岳、奥に会津朝日岳。毛猛と横山の奥に、中の岳・越後駒ケ岳が真っ白
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貸切渋山。久恋の山に登頂でき幸せ一杯。
PM1:20名残惜しく、山頂994m発、下山。

来た道を忠実に戻る。赤テープを確認しつつ、簡単な雪斜面はグリセード。

三時間半の急登りも一時間半で下降、取り付きの山道着。
PM2:50標高500m尾根取り付き点、汗だく、給水。
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                         山道、残雪斜面のトラバース
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                    ナタメ・山師の刻み跡・キノコのついた大木
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PM3:10林道終点。ここからの帰路は、ノンビリモード。

PM3:45「栃の木橋」手前のカヤト、カタクリ・キクザキイチゲ・タヌキラン花三昧、撮影。

タヌキラン関連記事はこちら
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                         キクザキイチゲ
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                    カタクリの色が鮮やか(赤色が強い)。
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                    中央部の桜模様の赤が濃いカタクリ
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林道歩き、心配した積雪歩きも大して潜らず。

地元の山菜狩りだろうか?林道残雪に、今日の日帰りの足跡一人分あり。

PM4:20苔むした湧き水風、沢に、「くらかけ豆」のような可愛い花群生(後でアズマシロガネソウと判明)。あまりの可愛らしさに暫く撮影。
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PM4:50駐車地がみえ、愛車がポツネン。
出発時には朝霧で見えなかった「鷲が倉山」どか〜〜〜んと、大きく聳える。
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(昨年の「鷲が倉山」山行記事はこちら

                 振り返れば、大きな「笠倉山」岩峰が見える
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田んぼの畦。花びらの色が面白いキクザキイチゲ咲き始め。
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PM5:00駐車地着。荷物の整理、登山靴は完全浸水。両踵に靴連れ。

只見町保養センターにて、夕食(ラーメン500円)。入浴(料金改定400円営業時間注意)・休憩。

只見町観光情報はこちら

翌日4/21(土)は隣の山、会津蒲生から「蒲生岳」を予定。記事は こちら

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
久恋の山に登頂 おめでとうございます。
苦労の代償に素晴しい会越の眺望 お天気に恵まれ何よりでした。
それにしても何時もながら、良く勉強されておられる事に驚きです。
輝ジィ〜ジ
URL
2007/04/23 19:07
ミータカさん 今晩は
矢筈岳・粟ガ岳の残雪の風景はいいですね。花に背いて
の山歩きかと思ったら、見たことも無い美しい
アズマシロガネソウ、良い山歩きでしたね。
インレッド
2007/04/23 19:53
こんにちは!
 福島・只見のエベレストとマッターホルンですか。興味を引く山ですね。
ミータカさんの山行記を読んでいると、いつもながら自分もそこを歩いているような気がします。おかげで、バーチャル登山を楽しませて貰っています。何回かこの辺を通ったことはありますが、いつも素通りでした。機会を見つけていつか登ってみたいと思います。
アズマシロガネソウ、かわいい花ですね。この花を求めて行くだけでも良いみたいです。
甘納豆
2007/04/24 11:17
笠倉山とはうらやましい。
参考にさせてもらいます。といっても、残雪のトラバースもあるようで、一人では荷が重そうですね。今年は、お花見モードが続いてしまって、残雪モードにいまいち入りきれないでいます。ここらで気合いを入れて、目指せ、連休の山。
さすらい人
URL
2007/04/24 18:05
皆様、いつもコメント戴き有難うございます。久恋の山を登れて満足なのですが、山欲が深いので、まだ、久恋の山が沢山あって・・・。

輝ジィ〜ジ様
ダメモトとはいえ、流石に、昨年の鷲が倉山からみた笠倉山の雪量はとても叶わず、突っ込んだとしても、林道歩きで敗退していたと思います。石井氏の記録はもとより、打田氏の記録がとても有意義に生かされました。地味山の記録、なかなか出てきませんから、今回は本当に勉強になりました。

インレッド様
花も残雪の山も両方楽しめ、しかも静か!。タヌキラン・アズマシロガネソウのご褒美を戴いた気分です。
(続く)

テントミータカ
2007/04/24 18:32
(続き)

甘納豆様

>バーチャル登山を楽しませて貰っています。

狙いはソコだったりして(笑)。地味山ですからね。ネットで検索しても残雪期の記録は無くて、雪のコンディションが一番気がかりでした。この記録を見た渋山好きな人が、安全に笠倉山を歩いてくれたら良いな〜とか、石井氏や打田氏への感謝の念を持って、出来る限り、詳細記事をアップして見ました。(GPSデータがなくてスミマセン)

さすらい人様
意外でしたね!、さすらい人様未登頂の山だったとは。アナログの参考資料(概略図)でよろしければ、別途、送付しますけど。
 五月の林道からの小出俣山より、小さい山ですし、雪融けが進めば、藪コースもありますから、さすらい人様の実力なら、簡単な部類に入りますよ。
テントミータカ
2007/04/24 18:35
拙著をお読みいただきありがとうございます。
昨年の笠倉山の写真を見させていただきました。懐かしさで一杯です。
アズマシロガネソウを初めて知りました。「山の本」にテントミータカのことを書いていいでしょうか。メールでご返事いただければ幸いです。
アドレスはmitsuzou@rj8.so-net.ne.jpです。08年3月26日

石井 光造
2008/03/26 18:52
石井光造様、ご訪問・コメント戴き有難うございます。
 ネットで記事を公開していると、嬉しい驚きもあるものですね。愛用の「山の参考書」の先生・ご本人様ですから。別途、ご連絡差し上げましたが、「雲の上の存在」の御方とこうしてやり取りできるとは・・・今年の山の運、全て使い切ったかな?こりゃ??。
 
テントミータカ
2008/03/26 21:43
4/20福島・奥会津・只見町のエベレスト「笠倉山」山行記、詳細 テントミータカ、山と猫の記憶/BIGLOBEウェブリブログ
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