雪倉鉱山道ー白馬大池山行記20050903-04

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H17.9.3-4…残雪と花がまだまだ沢山の雪倉鉱山道(山麓道)。雨を上手くかわし、ツガマツタケ収穫。草紅葉と静かな縦走路、熊にも逢って、存分に有意義な初秋の山行。

夏山でいろいろ苦労かけた相方の希望の山歩きとし、選んだ所は蓮華温泉から五輪尾根・朝日岳往復。相方はキノコモードだった。
前夜発、道の駅にて三時間の仮眠。

蓮華温泉―雪倉鉱山山麓道
H17.9.3

朝は、どよよんの薄曇の空。林道はウドの花満開、白池は公園整備工事中。
1445m標高、蓮華温泉駐車場にて、どうも、すっきりせず、二度寝。遅めの準備と午後からの雨の予報では、予定の朝日岳テント場まで届く自信なく、方向転換。ここも好きな雪倉鉱山道から白馬大池廻りとする。

AM7:50発、三割入り駐車場の賑わい。キツリフネ・ネジバナ。キャンプ場脇遊歩道から雪倉鉱山道(道標は雪倉山麓道)の綺麗な木道へ入る。ゴゼンタチバナは赤い実。分岐、営林署の鳥イラスト入り看板の位置直す。

ジャコウソウ・ガクアジサイ、苔むした沢数回横断、かもしか展望台の遊歩道との分岐。展望台のガレ場も、霧が湧いて展望無し。アヤメ平や兵馬の平の湿原や五輪尾根が見えるところだったが。チョウジギク、イワショウブ・コゴメグサ残り花・ウメバチソウが群生して清楚な花畑。キンコウカは実。湿地はオニシオガマ満開。ユキノシタ仲間小柄の花満開の株。

AM9:10谷の迫った瀬戸川上部の清流の河原に降りる。増水・荒廃を懸念していた沢も無事木の橋がかかり、難なく渡れる。いつもここを通過するたびに、十数年前の膝打撲・悶絶したイタイイタイ思い出が蘇る。

因縁の場所を越え、安心。対岸の草地にて休憩、主稜線まで遥かに遠く見上げる。ここまで登山口から高度は上がっていない。オニシモツケ・シナノナデシコ・ウメバチソウ花がポツポツ。あとは緊張する所も無く、誰にも会わず、のんびりと山麓道を巡っていく。

アキノキリンソウ満開、知らないキノコが沢山群生、チタケ・イグチの新鮮な物、数株収穫。鉱山道は道幅広く、ジグザグ緩やかな道のり、大荷物の身には歩き易い。展望が無く、休憩ポイントがはっきりしない。人通りがないので、道端で大休止も可ではあるけれど。沢が近いので水筒入らずのコース。
ハクサンシャジン・ミソガワソウ咲く、枯れ沢沿いの登山道、緑のキヌガサソウの花残る。
高度が上がるにつれ、陽射しがきつく汗が滴る。日焼け止め塗り、ゲータレータ飲み、道端での小休止を繰り返す。広葉樹が、コメツガ・トウヒ混じりとなる。

PM0:30鉱山事務所跡通過、トリカブト揺れ、バアソブが満開。木陰の多い山腹の乗越し、眼下に高原風緑の笹原。背景は蓮華岳の岩壁が迫る、高天原・別天地が現れる。AM11:30「神の田」登山道がハクサンフウロ彩られている。池と新品の道標の前で、暫し撮影タイム。

ここからは、先を急ぐよりも、のんびりカメラをぶら下げて花や景色、撮影しつつ彷徨が相応しい。ハクサンフウロ・アキノキリンソウ・サラシナショウマ・トリカブト・ミソガワソウ・セリ科の花。
PM1:00比丘尼飯場跡通過、頭上の白馬大池から三国境への稜線に登山者の影も見える。快晴の青空と繰り広げられるお花畑の別天地にて、慌てて立ち去るのも勿体無く、登山道をゆるり進む。

苔むした湧き水の小沢にて、パン・行動食と水。幕営用に水を満タンに詰め込み、重くなったザックを担ぎ、のろのろと再出発。二年ぶりのコース、まだまだ沢の渡渉数回有り。

ここも今年の大雪の名残、珍しく残雪残る沢、対岸に大きな熊見つける。表情もわかる至近距離での遭遇、阿仁マタギ式「しょうぶ、しょうぶ」と大声で、熊を追い払ってから、渡渉。奥の木立の草が揺れる。熊の写真撮っておけば良かったと後悔するも、後の祭。

ガレ場は黄色のタンポポ・ピンクはアズマギク・タカネナデシコ、残雪残る。
花一杯の登り、タカネトウイチソウ・カライトソウ・ユキクラトウウチソウ・ハクサンシャジン・トリカブト・キンポウゲ・シナノキンバイ・サラシナショウマ。ヨツバシオガマ・アカバナ・エゾシオガマ・ハクサンボウフウ・ミヤマハタザオ。写真撮り忙しく、歩行速度落ちる。ミヤマアケボノソウ咲き始め愛でる。花の丘巡り。
ガレ場の急坂を登りきり、しばらく休憩。 目前に蓮華岳の岩壁も迫る。雪倉岳がよく見える展望地でもあり、傍のナナカマドが赤い実をつけて鈴なり。来し方を見下ろすと、神の田と登山道が、見える。

先進み、途中にてテント設営〔国立公園法違反・指定外幕営・違法行為です、頑張って雪倉避難小屋か白馬岳の小屋へ泊まらなければいけません〕。蚊・ブヨが煩い中、設営。と同時に本降り雨。腹ペコでラーメンとコーヒーで落ち着く。激しい雷雨、レインフライの雫集め1リットル水調達。万全のテントの一夜は、濡れも無く、明るいうちからの睡眠を呼び、存分に休養させてもらう。


三国境―小蓮華山―白馬大池―蓮華温泉

H17.9.3、曇り空、冷え込みも無く熟睡、静かな朝を迎える。今日も午後は雨の予報、早めの下山を心して、荷をまとめAM6:30出発。上部の稜線に、早朝から行き交う登山者の影。
途中の沢で洗顔、高度が上がるに連れ、草原と湧き水の細々とした登山道。タカネトウイチソウ・カライトソウ・ミヤマアケボノソウ・ユキクラトウウチソウ・ウサギギク・花多く青空で暑い日ざし。日焼け止め塗る。
緑のナナカマド前景に雪倉岳の大きな山容をお供に、標高を上げていく。昨日、大きくはだかっていた蓮華の大岩壁も眼下となり、稜線が近付きつつも、ザレ場歩きが長い。カライトソウ・イブキジャコウソウ・クモマミミナグサ。
右脇の鉢が岳中腹の登山道と水平高度となり、登山者の姿確認。今日は三国境経由なので、ハイマツとザレ場の中の判り難い登山道、赤ペンキ頼りに高度上げていく。

AM8:00縦走路と合流。今年初めて間近に振り仰ぐ白馬本峰と旭岳の迫力ある山容も、雲沸くのも早く、あっという間に白く姿隠す、鞍部にて休憩。

白馬方面から数人単独登山者と交差。トウヤクリンドウ多く、イワツメクサ・マツムシソウ・コマクサの残り花愛で、近くて遠い三国境のジグザク砂礫道登り。手前にて小蓮華岳への縦走路へのトラバース道入り、雲の薄い中、登ってきた鉱山道と雪倉岳俯瞰し休憩。
縦走路と合流、今回初めて長野側の急峻な岩場から見下ろす谷間。白馬山頂は流れる雲からチラリ出たり消えたり。

緩やかなメインコース登山道は草紅葉始め、トウヤクリンドウが多い草原。それでもハイマツの緑とまだ残る残雪、岩と砂の高山帯の空気は独特のもので、いつも感じる「解放たれた矢」の気分がして、心躍る。
イワギキョウ・タカネナデシコ・ミミナグサ・ミミナグサ・イブキジャコウソウ残り花、トウヤクリンドウ盛り、ウラシマツツジ・オヤマソバ・ネバリノギランが赤く染まる。
曇り空で展望も無いが、空気も温まり、休憩も爽やかな気分、閑散とした人通り、ゆっくり歩ける。

AM9:15-9:25今回の最高峰・小蓮華岳(大日岳)2769mにて首の無い石仏にお参り、小腹を満たし、白馬大池へ向う。
雷鳥坂で期待の雷鳥に遭えず、眼下の白馬大池と大池山荘は霧の中から出たり消えたり。坂から下る。緑のロープが出てきて、イワイチョウの黄葉とチンクルマの赤い果穂、ハクサンボウフウの白い花の草紅葉始まりの草原に大きな青い大池。

AM10:10白馬大池着。大型テント二張り。登山者十人程休憩。弱い陽射しもあり、ここでハイマツイグチ入りラーメン休憩。ここでも、少ない登山者の数、やはり、今の時期、ツアーも無く、静かな白馬一帯なのだろう。

食後のコーヒーも済み、蓮華温泉への下山路入り。ハイマツ脇、ヒオウギアヤメ残り花数輪。ミヤマリンドウ残り花、付近の草紅葉、数枚写真撮り、通い馴れた登山道、雨の予報に歩行速度上げる。数組の入山者と交差、大好きな高田営林署の鳥のイラスト入りの看板が樹毎倒れている。

樹形が盆栽のような「天狗の庭」に入ると、霧雨から本降りの雨。ウメバチソウ・ハクサンシャジン。ここまで下りれば道もよく、傘差し、ジグザク道。コメツガの針葉樹林帯、雨宿りがてらの休憩。蜘蛛の巣も雨の雫で模様が浮かぶ。
傘のみで足元も濡れず、世が世ならば潜って採りたい立派な太々チシマザサ・ブナ林入り。いつもは蓮華温泉の野天風呂・赤い屋根が見下ろせる登山道も、今日は視界ゼロ。

もう、交差する人も無く、温泉のにおいがし、露天風呂分岐通過、温泉の裏手の登山口着。人影の無い、霧深い蓮華温泉。

PM1:30雨上り、駐車場着。今回は節約山行、名湯もパス、汗まみれのまま荷をまとめ、車中の人となる。
小谷村「道の駅」にて温泉・食事(野豚のとんかつ定食、夏野菜のカツカレー)。桃・青葡萄・茗荷・モロッコインゲンのお土産購入。

思いがけずのツガマツタケ収穫に家人大喜び。

この記事へのコメント

2005年09月07日 21:40
そのうちに歩いてみようと思っている「鉱山道」についての詳しい紀行文をありがとうございました。危ない所は瀬戸川越えぐらいのようですね。
鉱山道から雪倉岳避難小屋へのショートカットがあるそうですが、入り口は明瞭でしょうか? 鉱山道から朝日岳方面へは一時間ほどショートできるそうですが・・。鉱山道は環境省が国立公園の”設備”として整備を進めるようですね。
「しょうぶ、しょうぶ」は、阿仁マタギの熊撃退のオマジナイでしょうか?。効果あるのかな?(笑い)
2005年09月08日 13:22
山いろいろ様、いつも、コメント有難うございます。

>鉱山道から雪倉岳避難小屋へのショートカットの道

五・六回ここを歩いていますが、気にしていませんでした。通常の合流点から、避難小屋まで、一時間ほどの緩やかな行程ですので、付近の花畑楽しむうちに小屋へ着きますので。
通常のコースタイムで7-8時間ですから。
ただ、雪倉岳避難小屋は管理している朝日小屋から、初めから予定して宿泊しないで欲しい要望あるのと、運が悪いと泊まる人が多くて窮屈な思いされることもありえます。

アハハッ、「しょうぶ、しょうぶ」は、以前見た、阿仁マタギのビデオでみました。熊を撃って、一同が熊に近づく時の掛け声だそうです。セコが熊を追い立てるときに使ったかどうかはちょっと、記憶があやふや。まあ、熊のプロはマタギですから。
人気が無くなった通りで熊ものんびりしてましたが、あまりに側で見ると気持ち良くは無いです。
花あかり
2005年09月08日 16:05
初めまして。一昨年の夏に初心者にも関わらず、白馬の大雪渓から栂池まで歩いた経験があり、「白馬」という文字があるとつい惹かれて迷い込んできましたが、三国境―小蓮華山-白馬大池など懐かしく思い出しながら読ませていただきました。
その時は夏の白馬の花の多さに驚き感激したものですが、9月になってもこんなに山にいろいろな花が咲いているものとは知りませんでした。その時はもう来れる所ではないだろうと思ってましたが、花いっぱい!の紀行を読ませていただき、今度はまた違う季節に行きたくなりました。
「しょうぶ、しょうぶ!」は以前読んだ本、「邂逅の森」というマタギを主人公にした小説でも書かれていたような気がします。
討ち取った後に、叫びながら・・という下りだったような記憶ですが、それを読んだ時は、喜びの声というか、皆に伝えるための合図かと思って読んでました。でも、追い払うことができれば、何でもいいですよね。ご無事でなりよりでした(笑い)これを機会に、また山紀行楽しみに読ませていただきます。ありがとうございました。
2005年09月08日 16:42
花あかり様〔なんてシャレた名前でしょう〕、初めまして、コメント有難うございます。
今年は特別、谷間の残雪が多かったので花の開花が遅れたものと思われます。日当たりのよい稜線は例年並みの草紅葉始まりでしたから。
白馬の西の朝日小屋の管理人日記HPにも、沢山の花、写真載ってますよ。私のブログでも7・8月の白馬関係の記録でも、くどくどと、花の名前書き連ねております。
白馬界隈は人が多いですが、やはり花の名山です。いろんな山域歩いてますが、種類といい量といい、花好きには、お勧めの山域です。