20060422、鷲が倉山詳細記録

残雪時限定の山。只見町・会津塩沢駅前。
H18.3.26
新鶴IC~会津坂下IC、雨降りの中、只見川沿いに奥会津入り。只見町・会津塩川駅から只見川向こう、登山口でも雨は止まず。一時間の車内仮眠。白鳥飛来地の橋の絵。時折、只見線の二両編成の車両が汽笛を鳴らし、通過。空が明るくなり、小雨も止みはじめ。仮眠で今朝の眠気の吹き飛び、俄然やる気が沸く。

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AM9:30、予備ワカンとピッケル、一ヶ月ぶり日帰り残雪装備、新品の熊鈴をぶら下げ、意気揚々出発。

始めから残雪歩き。杉の斜面から沢を詰め、樹林の台地に向かい一登り。シャーベットながらも雪質良く、つぼ足で快調にステップを切って登る。見る見るうちに只見川が低くなり、笠倉山が全容を現す。

笠倉山登頂記事は こちら

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樹林の台地は深雪がうっすら積もり、黄砂の古雪に白粉をかぶせたよう。キツネや兎・カモシカ・鳥の足跡が残る。肝心の熊の影もなく、鈴の音も山中では意外と穏やかで、なんとなく頼りなく感じる。電車の音、さおだけ売りの声、麓の山らしく、集落の物音が聞こえる。カケスの声が良く響く。まだ白い空。樹林の台地から緩く高度を上げる。

AM10:25-10:45、鷲が倉山全容を臨む展望台着。左手の杉林。広い雪原とブナ林を裾に広げ、岩壁の山頂部が西上州の山を思わせるような、まさに鷲が羽根を広げたような「鷲が倉山」山容。暫く山を眺めながら休憩。山頂岩場手前の尾根の肩までの雪面急坂のルートを確認。相当の新雪、予想外に雪が白い。
食後、一旦、雪原へのミニグリセード下降。右手、宿木の多いブナ林並木沿いに進む。立ち枯れの大木に、マスタケの残骸。雪面に落ちたヤドリギの小枝に初めて見る。橙色の実。
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急斜面取り付きは古い雪崩跡のブロックで歩きにくく、深雪が10センチ被さっている。尾根が近づく毎に斜度が増すも、柔らかい雪で、キックステップ良く効く。

AM11:50-12:10山頂稜線肩、着。休憩、ここから山頂まで、一番の難所、岩場の木の根枝・岩掴みの短い急坂。石井氏のコースタイムは40分。打田氏のコースタイムは20分、よく読めば「グループによってはアイザレンが必要」と注釈。しまった、30メートルロープを持って来れば良かったと、後の祭り。

細いやせ尾根、イワウチワと枯葉、新雪の苔むしたグチョグチョ道。取っ掛かりの木の根・枝も頼りなく、石さえ浮いていて、引き返そうかと、弱気になる登り。
登っていくごとに、「これは下りは転落間違いなし」確信深め、戻るに戻れずの、遠望の西上州の山のイメージ以上に難儀の岩尾根。イワウチワのピンクの花に新雪がかかって美しい。斜度が緩み、道幅が広くなると、山頂近し。

PM0:40、空が抜け、三角点が二本・雪庇が発達した雪原の展望台・鷲が倉山山頂918m。青空が気分良く、朝の雨、先ほどまでの難所の苦労を補って余りあるべく、好展望。もう、天気の心配なく、青空に雲が渡る。
ダム状の緑に光る只見川を挟み、笠倉山・猿倉山が悠然と聳える。鬼が面山・浅草岳・矢筈・五剣谷・御神楽岳と磐越国境周辺の山・会津朝日から駒への稜線。ここでコーヒーとパンの昼食。
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雪庇や雪原、ブナの原生林が素晴らしい。風もなくのんびり昼寝も出来そうが、遅い出発の為、時間が無い。
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食後、帰路は、往路を戻る気にならず、北東に伸びる岩稜沿いの尾根から回り込んで、展望台地へ下降することにする。空身で偵察、下から伸びるスラブ上部への雪の斜面へ取り付く藪も丈夫そうなのを確認。PM2:00、荷持を担ぎ直し、ミニ回遊ルートで下降開始。

薄い雪庇の藪尾根は刈払いもあり、ガイドブック外の既存ルートがあるようだ。
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一度下り、緩い上り返しの藪から覗く足元の雪と藪が一番楽そうなので、相方先行で、木の枝掴みの藪下り。まっすぐの下降で、雪と岩壁の取り付きに慎重なルート取りで、雪面着地。
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半崩壊のクレバスに新雪積り、細心の注意で、安全斜面へ移動。表層雪崩のように一気のシリセード下降。

PM2:45、雪原で、休止。トンビが飛んでいる。鳥のさえずりも賑やか。
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PM3:10-3:20樹林台地へ登り返し、改めて、自分達のトレースのみの「鷲が倉山頂」を見つめる。登りと打って変わった青空で、只見川も山並みも空も、くっきり。すぐ降りるのが勿体無い位。

気楽な下降、PM3:50あっという間に登山口、車へ戻る。カワウが飛んでいる。改めて、登山口の風景撮影。川の上流に、鬼が面山と浅草岳が白く光る。



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山頂部岩藪尾根、山慣れた身軽な方でないとお勧めできません。

中央岩峰が三角点山頂。左手、肩から山頂部への短い岩場の急坂。ロープ必須で安全。(このときは、ノーザイルで必死になって登りましたが、下りを無事に下る自信、全くなし)もろい岩・根・枝つかみ、慎重に30分の急坂。
(西上州の山の詰めで、ホールド(岩・根っこ・枝)がもろく、足元が苔やイワウチワの葉、等々、滑りやすい状態です)

往復は無理なので、雪庇が残る北東の山頂部尾根から、藪の強引な下り(ロープ代わり)、岩場から雪壁に乗り、ピッケル・シリセードで一気に雪原へ下降。

北東の山頂部尾根に刈払い・道らしいものもありますので、別の取り付き新道があるかも知れない。

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この記事へのコメント

2006年04月25日 06:11
山の危険度は、標高と関係ない例ですね。
他にもいい山はたくさんあるものを・・・と、思わず呟いてみました。
ミータカさんの行動力に脱帽!。
さすらい人
2006年04月25日 13:06
山行記録、興味深く読ませてもらいました。会津百名山制覇のために、予定の山にあがっていたのですが、恐そうなのでやめます。以前、宇都宮ハイキングクラブ所属の人が、単独行で遭難したと思います。
とっても、このまま引き下がるのもなんですので、攻略法を考えますと。以前、この山の南西にある柴倉山に、送電線巡視路+ヤブコギで登りました。後幹線と本名線といった二本の送電線が平行に走っており、これらは、鷲ヶ倉山の南東部を通過しています。この送電線沿いなら立派な巡視路が整備されていると思います。
おそらく、巻の沢から721点に上がって、尾根伝いに722点の鉄塔に続く。そこからなら、ヤブコギでもそう遠くない距離。もしかすると踏み跡もあるかもしれない。
地図を見ただけでの推測だけなのですが、可能性はあると思います。
2006年04月25日 14:01
山いろいろ様m(._.)m
この山の存在を知って、早10年以上。テントミータカには、笠倉山と並ぶ憧れの山です。ノンビリハイキング山も渋々山も、いろいろ楽しみたいですね。もちろん、安全第一で。残雪のルート工作も楽しいですよ。お助け紐(8ミリ径10mロープ)でもあれば、もっと楽でしたね。
◎・----------‥…-o_(・_-)
日帰りで荷持も軽いですからすから、渋々山行時はロープを装備に追加しておきます。
2006年04月25日 14:14
さすらい人様<(_ _*)>
送電線巡視路の活用も良いですね。
テントミータカ、一番悪い状況の時、危険地帯を登ったのでしょう。イワウチワ葉も雪でよく滑ったし。下山時の雪庇ルート(稜線藪がしっかり刈払されている)のほうが、とても歩きやすかったです。
(・_・?)もしかすると、そのまま尾根沿いに刈払されているかも。展望台地の杉林(写真左下)に到着すれば問題無いので。
sanae
2006年04月25日 16:00
到底無理ですわ!(@.@;
記録で楽しませていただきます。
拝見できて嬉しいですよ~
2006年04月25日 17:56
sanae様(^-^*)/
「誰でも、どうぞ、おいで下さい」という山域ではありませんが、麓歩きでも結構楽しめますよ。奥会津へ観光がてら、ざひ、おいで下さい。
鉄道まにあ
2008年05月27日 18:53
はじめまして。撮影のため残雪期ではなく夏場のルートを何回か登りました。
ひとつはルートが書かれている
写真の右の赤い線のやや右に松の尾根がありますが、そこを登ります。
下の部落の小学生と遭遇したこともありました。
”おじさんどうしてこの道知ってるの” ですって。^^
ここは2月の新雪2メートルのときは取り付まで3時間もかかりましたっけ。
もうひとつは同じ写真で言うとちょうどぐるっと際左の尾根沿いに登る
ものです。
あと、地元の方にも注意をうけたのですが、登られた右側の赤いラインは
雪崩の巣の上をなぞっていますので冬場は無理なルートだと思います。
では。
2008年05月27日 19:16
鉄道まにあ様、はじめまして。ご訪問・コメント戴き有難うございます。
 撮影の方ですか、いわゆる「とりてつ」サンでしょうか?。なるほど、無雪期のちゃんとしたルートがあるんですね。

>あと、地元の方にも注意をうけたのですが、登られた右側の赤いラインは雪崩の巣の上をなぞっていますので冬場は無理なルートだと思います。

 当時、雪の状況を確認しながら登りました(古いデブリ痕残っていました)ので、さらに安全を期するならば、早めに右側の尾根に取り付くほうが確実かもしれませんね。当時の現場は、安定した雪と、私達のヤマカンで判断し、登った軌跡を図解しました。地元の人にしてみれば積雪期は「トンデモナイ!」ルートのようですね。残雪期のルート工作は、現場での判断も重要と思っています。
 情報の少ない地味な「鷲が倉山」記事・登山道、こうしてコメント・ご教示いただき有難うございます。