9/8-9福島・南会津、避難小屋泊でゆっくり三ツ岩岳山行

2007(H19)9/8-9…台風直撃のおかげ?11年ぶりの会津三ツ岩岳。避難小屋泊でゆっくり三ツ岩岳往復。花一杯の黒檜沢(新道)の登り、下山は旧道尾根コース。静かな初秋の湿原。静かな山行。

三ツ岩岳山頂から三ツ岩岩峰を見下ろす
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ヤマケイ「分県別登山ガイド・福島の山」より

 三岩岳2065mは、会津駒ケ岳から北東に延びる稜線上にある。山腹にはブナの原生林と急峻な渓谷、上部にはオオシラビソと高層湿原が散在し、南会津の高山の特徴を全て備えた山といえる。しかし、隣の会津駒ケ岳に比べると登山者は少なく、不遇の山と言える。それだけに、静かな原生の山を求める者にとっては豊かな自然が残された貴重な山として、期待に応じてくれることだろう・・・

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 台風直撃、通過で山岳道路もズタズタ。11年前の残雪時に相方が見ていない三ツ岩小屋(三岩岳避難小屋)でのんびり泊まることにして出かける。

キノコ記事は コチラ

植物詳細記事は コチラ


2007(H19)9.8(土)晴れのち曇りのち雨・霧

今日はコースタイムで登り三時間の小屋泊なのでノンビリ歩けるが、暑くなる予報、早めに登山口へ向かうことにする。

国道のスノーシェッドに伊南観光協会の幟「7/1山開き」。迷うことも無い。
登山口は小豆温泉バス停をおおうスノーシェッドの北側にある。
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 無人の小豆温泉脇、三ツ岩岳登山口駐車場。
幕営も可能そうだが、地元ではここでの幕営は駄目だそうだ。
予報どおり暑くなりそうな朝日が照りつける。
数日前に引いた風邪の影響で頭がクラクラする。
登山届け提出。


AM6:57標高950m駐車場出発、熊注意看板。熊鈴をぶら下げる。
道路の向こうに明瞭な登山口案内板。国道を渡る。
コンクリートスロープからスノーシェッドの上を歩く。
法面藪にヨツバヒヨドリ咲き始め・アレチマツヨイグサが咲く。
AM7:15標高970mスノーシェッドの中央部幟に鉄の長い階段を登り、登山道に入る。

早速ブナやコナラの自然林広葉樹林帯に入る。
しばらく黒檜沢に沿って登ったのち、増水した沢を渡る。
コンクリートで出来た階段になっているが、さすがに増水した沢と化し、暫くどう渡渉するか・・・。
倒木の足場もあるが、心もとなく足場を確認し、気合を入れて渡る。
ここが今回一番の難所だった。

沢沿いの道は、覚えれば野草の宝庫で植物観察で足が進まない。
タイリンヤマハッカ風カメバヒキオコシ、白花カメバヒキオコシ。
赤いツリフネソウがアチコチで群生。
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キンミズヒキ。

AM7:45標高1035mハナタデ(ヤブタデ)赤いツリフネソウ群生、ホソバガンクビソウ。
数日人が歩いていないのだろう、蜘蛛の巣が良く引っかかる。

AM8:00標高1050mキツリフネが一輪。登山道脇にヌスビトハギが群生。
実が多く、たくさん衣服に付く。秋の山らしい。
日留賀岳でおぼえたモミジハグマに似た花でクルマバハグマが珍しい。
他、シロヨメナ・クロバナヒキオコシ・オヤマボクチ・ホツツジを眺めながら沢沿いの道をゆるゆると巻いていく。

ヒキガエルとヘビも数箇所で目撃。
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ジグザグの急登に変わり、支尾根へと突き上げる。

AM8:45標高1170m特徴のあるタムシバの実があちこちでなっている。今は緑の葉ばかりだが、花時はさぞ綺麗な事だろう。

オオカメノキの葉一部紅葉、マイヅルソウ実が色づく。

AM9:24滝が見える。トラバース気味に旧道分岐ヘ向かう。
小さな枝沢を五本ほど横切るので水を補給していく。
記憶に無い湿地通過。
斜めの木道、水平部に切込みがあり、足の置きやすいようにしてあるが、それでも滑りやすく注意して渡る。
AM9:30標高1300m倒木に緑の綺麗な苔の花・実。

三番目に出会う花崗岩のミニ滝の流れの水場。
黄色の四角のペイント看板「三つ岩山頂まで3.9キロ」。緩やかに登る。

AM10:00標高1350m旧道新道合流点。
石の台座にコースを詳細に解説する立派なアルミプレートの案内板。
この先の分岐などの要所にこれが設置してあるという。
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他にも黄色の四角のペイント看板「増水時は旧道を下リテクダサイ」「三つ岩山頂まで3.3キロ」表示。
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ここまでで大幅にコースタイムよりも遅れ、この先の行程も遅れそうで自信がなくなるが、休憩・栄養補給で気を取り直す。

左に折れ、尾根筋に付けられた道をほぼ一直線に登る。
周辺は見事なブナ原生林で、樹林の間から北側にそびえる窓明山の姿を見ることができる。
ここからは記憶にある気持ちの良いブナ林の急坂。
が、登ってみると意外に緩く、巨木の間を縫うように上に向かう。
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AM11:15標高1570mリョウブの白い花が満開(幹の模様で解る)で登山道を白く飾る。

AM11:28標高1645m、展望台より南会津の山並み、上空雲多し。
スキー場と化した高畑山。
七が岳・田代・帝釈山稜線は雲の中。晴れていれば、南に三岩岳山頂付近の稜線と、象徴的な三つの岩峰も望むことが出来るらしい。

AM11:30黄色の四角のペイント看板「三つ岩山頂まで2.2キロ」。
足元にイワウチワのつやつやした葉がずっと続いている。

旧道分岐のヘロヘロモードが嘘の様な快調な登り、休むとさすがに涼しい山の空気も功を奏しているのだろう。
それでも休むたびに額のタオルを絞ると汗が滴り落ちる。
長い登高に充分すぎるほど汗を流す。
鳥も、シジュウカラ・キセキレイ・コガラ・ヒガラの地鳴きが聞こえ、姿もチラチラ見える。

AM11:45標高1715mようやくお待ち兼ねのオオシラビソ林が出てきた。
ここからより一層、尾瀬界隈の原生林らしい(咲倉尾根・笠が岳付近)雰囲気で涼しい。

AM12:00標高1720mゴゼンタチバナの赤い実が群生。道のぬかるんでいる箇所が多くなる。
倒木や迂回路でやり過ごす。

AM12:15標高1790m記憶に無い小屋手前の湿原・池塘・木道が現れる。
イワショウブ残り花、イワイチョウ黄色い葉・オヤマリンドウ・オニシオガマ残り花。
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再びオオシラビソ・大きなダケカンバの林の中。
AM12:30標高1820m緩くオオシラビソの間を登る。
足元を小沢と化し洗われた石交じりの登山道。

AM12:37標高1845m登山道、シロヨメナ・アザミの奥、三ツ岩小屋(三岩岳避難小屋)が現れる。
平成4年製ログハウス15人ほど収容できる。
中はゴミもあるが、割と綺麗に片付けられており、充分快適に使用できる。

小屋前の豊富な水場に一安心。水場やや濁っているが煮沸して炊事に使える。
小屋のノートを読むと8/20頃でも、細々と水は流れていたそうだ。
渇水することもあるので、その時は窓明山方面へ10分下った鞍部の湧き水を当てにしてきた。
二階は暗く、今回は綺麗な床で採光も明るい一階に荷物を広げる。
小屋のタオルを使い、掃き掃除・床・窓の拭き掃除。
汗まみれのシャツをすすぎ、干す。

そうこうするうちににわか雨・霧、薄日が差したりと、めまぐるしく変わる天気。
山頂へは明日向かうことにして、ゆっくり体を休めることにする。
ここから山頂まで「登り40分下り30分」。
数歩先が窓明山の分岐、アルミプレートの詳細な案内板もある。
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遅ればせの昼食&夕食。

夕方まで後続の宿泊者の来場を待っていたが、結局貸切の一夜となる。
蚊取り線香を忘れたが刺されることもなし。

夜半、目の光る蛾が飛び交う。


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2007(H19)9.9(日)晴れのち霧のち晴れ

キノコ入りラーメンの朝食。
今朝の方が小屋前水場の水が澄んでいる。相変わらず冷たい。
寝床を片付け荷物をまとめ、軽装で山頂往復に向かう。

AM6:27標高1845m三ツ岩小屋(三岩岳避難小屋)発。

オオシラビソ、大きなダケカンバの林、緩い傾斜の道を登っていく。
朝露であっという間に下半身はびっしょり濡れる。
雨具のズボン・スパッツをつけていたので被害なし。
最期の標識「三ツ岩岳山頂0.95Km」

ひとのぼりで湿原。

窓明山が見える。里は朝の雲海。登山道の笹が深い。
AM7:00標高2015m山名の由来となった大きな岩峰が見える。
この高層湿原は木道が敷かれ、小規模ながらも会津駒ケ岳と同様な高山植物が咲き乱れている。
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湿原の斜面、いくつかの池塘が現われ、黄色く色づいたコバイケイやイワイチョウ、残り花のハクサンボウフウの白い花。オヤマリンドウがそこかしこの登山道にて群生する。

オオシラビソと笹原が交互に現れる。
左手が開けて山名の由来となった三つの岩峰を一つずつ巻いていく。

背丈の高い笹が広がった稜線を歩いていると、周囲の見晴らしはあまり良くない。
同じような小山状のオオシラビソの茂みが幾つもあって頂上とだまされる。

笹の切り開きを登っていく。

AM7:07標高2065m三岩岳山頂。
三等三角点、ドウダンツツジ・シャクナゲ・ハイマツ狭い山頂。
壊れかけた「三ツ岩岳山頂」標識。小さな木製標柱。
北側には窓明山から丸川岳・会津朝日岳へと山脈が続く。
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雲海が晴れていく。もっと展望が良ければ、遠くに飯豊・吾妻が見えるそうだが、今日は雲の奥で見えず。
見下ろすと、この山を紹介するガイドブックでよく見る、例の三ツ岩がアクセントの眺め。

南側の会津駒ケ岳へと連なる稜線の起伏は、原生のままの迫力ある姿を見せている。
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会津駒ケ岳・中門岳。奥白根山はじめ日光連山も霞勝ちながらなんとか見える。
特徴ある燧ケ岳山頂部も見える。
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日差しが暑くなってきたが渡る風が涼しく気持ちがよい。
貸切の山頂で眺望をじっくり楽しみ、充分に休み往路を戻る。
AM7:30標高2065m三岩岳山頂発。
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笹原にコバイケイの黄色い葉。
AM7:45標高2010m霧が湧き、家向山・窓明山が隠れる。湿原・木道通過。
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ミヤマアキノキリンソウ・オヤマリンドウの撮影。

AM8:13 -AM9:17標高1845m三ツ岩小屋(三岩岳避難小屋)にて追加食事休憩。
荷物の詰め直し。掃き掃除。水場の掃除。
記念撮影後、窓明山方面に行きたかったが、付近の霧に巻かれる様子に諦め、尾根の旧道の下山路を楽しみに大人しく下る。

振り返り、霧に煙る避難小屋に別れを告げる。
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湿原の木道、オニシオガマ・ハクサンボウフウ?・ミヤマアキノキリンソウ。

周囲の自然観察をしながらの快調な下り。

AM9:30標高1785m枯れた立ち木にアラゲキクラゲ。ツルリンドウ。
AM9:45標高1700mツバメオモトの大きな青い実。
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リョウブの白い花の急坂。

AM9:50「三つ岩山頂まで2.2キロ」。ヘビ。

AM10:15標高1550m赤いオオカメノキの葉。ブナの巨木林。
日帰り軽装者計10人ほどと交差(男性ばかり)。

AM10:30標高1440m旧道新道分岐、ここから旧道を進む。
新しい踏み跡なし。

AM10:45標高1405mヒメコマツの大木


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AM11:45標高1060mNTT電波塔通過。急降下。
車道直前、清水が美味しい。

AM12:00標高950m。藪で埋もれ気味の、「平成7年10月第50回国体「ふくしま国体」」看板。
昨日の朝出発した小豆温泉先の国道。
登山口まで10分ほどてくてく歩く。すっ飛ばしていく車多し。

AM12:11標高950m ジリジリ照りつける太陽。駐車場愛車一台のみ



すぐ温泉に入りたく、桧枝岐入り口の「駒の湯」に向かうが、工事中で休業中。
ドアの尾瀬国立公園のマーク撮影
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会津高原駅そばの「夢の湯」に移動。

「道の駅たじま」が混雑気味なので、回避し、コンビニにて弁当を買い休憩食事。

夕方、無事帰宅。

この記事へのコメント

2007年09月11日 23:40
三岩岳お疲れさまでした。私も三岩岳はしばらく登っていないので、そろそろいこうかなと思っていました。祝・尾瀬国立公園ということで、訪れる必要もありますね。
2007年09月12日 01:27
昨年「会津朝日岳」の山開きに参加しての帰路に「三ツ岩岳 山開き」の幟を見つけて、来年参加しようと思っていました。
その「来年」の今年は結局は行けずでした・・・
又、来年に期待!
私は一人では怖いので山開き参加が好きです。
福島県、山形県などの山開きには数度行きましたが何れも大歓迎で色々とイベントありで、楽しかったので。
2007年09月12日 12:05
皆様、いつもコメント戴き有難うございます。

さすらい人様
 三ツ岩岳の静けさはいいですね~!初めて歩いた時は日帰りで窓明山・家向山周回、稜線・山頂は霧の中で展望はありませんでした。下山後調べて分かったのですが、微妙に、三ツ岩岳・窓明山は尾瀬国立公園ではなかったようです。

noritan様
 単独となれば私も誰かが歩いてくれた方が安心です。私の唯一(貴重な?)山開き山行は、昔(旧道のみの頃)偶然に、初・御神楽岳です。手ぬぐいとお神酒貰いました。山開きもこの界隈はサービス満天ですね。私は「オザバグサまつり」のバッヂが欲しい(笑)。
2007年09月12日 18:07
会津駒ケ岳の周辺山群とはいえ、標高も高く、オシラビソに囲まれた小屋の雰囲気もとてもいいですね~。
ますます、1泊以上の秘境での縦走を夢見る今日この頃です。
2007年09月12日 21:51
三ツ岩岳・窓明山何気に何時も素通りで、未踏です。
ミーさんの記事参考に何時の日か!
静かな山歩き楽しめそう。。。

2007年09月12日 22:04
 会津駒まで行っているのに三ツ岩岳を知りませんでした。恥ずかしい限りです。ミータカさんのレポですっかり見直しました。
正直、いい山です。生きているうちに絶対に登って来ます。
ところで、会津駒から三ツ岩までの稜線は道がついているのでしょうか。
グルッと大回りするのも楽しそうだなと想像しながら読ませていただきました。
それと、お花の名前、前回以上に眠気を催すお経のようでした。(笑)
でも勉強になります。
2007年09月13日 21:34
皆様、いつもコメント戴き有難うございます。

やまおやぢ様
 この小屋に泊まる人は少ないようです(ドサッと来られても困りますが)。昔はこの小屋を見て泊りたいとは思わなかったのですが、年を重ねるとこういった小屋の良さがわかってきますね(東北の各避難小屋で鍛えられた?)。

輝ジィ~ジ様
 あれ?未踏ですか・・・。会津駒より道はきついですがおススメです。とはいえ、山頂の展望がないと魅力が半減しますので、天気を選んでおいでくださいネ。

甘納豆様
 福島の2000m超の山は限られていて、この三ツ岩岳もその意味でも貴重なピークだと、以前、福島の青年氏より聞きました。初夏の花時もさぞや・・・(私は晩夏・秋ばかりで知らないのです)。
>会津駒から三ツ岩までの稜線は道がついているのでしょうか。
道は無いですが、残雪の頃楽々渡れます。4月中旬に歩いたことがあります。車を取りに麓の国道歩きの方がきつかったです(スノーシェッド煩いんだ~!!)