「クライマーズ・ハイ」「蘇る白瀬中尉」最近読んだ本二冊の感想

ようやく読み終えました、二冊★★


★ 「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫著

 ようやく読み終えました。ラストが同じ「主人公の左遷」といえども、草津支局左遷の「クライマーズ・ハイ」の方が後味爽やか。数ヶ月前に読んだ「沈まぬ太陽」の主人公の海外左遷は、どうにもドヨーンと後味が悪く、あわただしいラストへの話の進め方も説得性に乏しく、感情移入できませんでした。

 まぁ、私の嗜好は、せめてフィクションの世界では「ハッピーエンド」を求めてしまう性質でありますので(笑)、全くの私見です、ハイ。

 あえて辛口を言えば、「クライマーズ・ハイ」題名と話の絡みはちょっとこじつけっぽいかな??、別の題名でも構わないかなとも。

「横山秀夫」氏の本、これで二冊目ですが、また、他の本も読みたくなりました。
画像




★ 「よみがえる白瀬中尉」 秋田魁新報社版

 期待以上に読み応えがあり面白かったです。秋田県金浦出身の『白瀬 矗(のぶ)』陸軍中尉、子供時代からの北極探検に対する情熱・行動はアムンゼンそっくりで・・・。

 ただ、生涯を極地探検に注ぎ、家族も持たなかったアムンゼンと違い、家族を持ち、軍隊所属時、待遇改善の為とはいえ「告発投書」をせざるえない白瀬中尉の「ガキ大将」的性格・行動は、極地探検・極点踏破に必要な綿密な準備・実行時の妨げにもなったのではないのかと。
 隊員も内紛が絶えず帰国時に分裂してしまった事を考えても、同じ軍隊組織、管理手法で挑み、南極レースに破れたイギリスのスコット隊長が、最後まで部下に慕われたというリーダー素質とも違うようです。

 当時の常識では到底無理であろうといわれた、小さな木造帆船・貧しい装備で南極海入り。「大和雪原(やまとゆきはら)」までの南極接近、1人の犠牲者も出さずに戻れた事は、間違いなく称えられるべき偉業です。
 ・・・が、当時の日本国内での評価は過少なものだったようで(国民の熱狂的支持を得ていたのですが)、帰国してみれば借金の山。隊員への報酬支払・借金返済に負われ、かつて一世を風靡した英雄が、負債に負われ、貧困の寂しい晩年の様子には・・・ビックリ。

 寂しい晩年だったとはいえ、信念に生きる人は、強いですね。そして「内助の功」、最後まで旦那様を支えた奥様がおられてこそ、波乱万丈な白瀬中尉の生涯はありえなかった事でしょう、奥様も偉い人だな~。

 日本刀・数珠の話も良かったのですが、探検時の船内で、猫のタマ公が大海原に投げ出された話は、猫が可哀想でした・・・。

「秋田ふるさと村」(横手市)のマスコットキャラクター、秋田犬の「ノブ君」がいるし、秋田県にかほ市にある「白瀬南極探検隊記念館」へも行ってみたくなりました。


            「白瀬南極探検隊記念館」の参照HPは→  こちら


※春の訪れと共に、山歩きが忙しくなりそうです。暫く、じっくり読みふける読書はお休みかな???





人気blogランキング
人気blogランキング←御陰様で20位入り。クリックいただけると嬉しいです。

にほんブログ村 アウトドアブログへ ←よろしければ、こちらも。








この記事へのコメント

2008年03月12日 18:33
白瀬中尉といえば、秋田が生んだ歴史的冒険家ではないですかっ!!
って・・記念館とかもあるけど地元人の割には詳細さっぱり判らんのです。(笑い
反省。今度私も読んでみよう(;^_^Aアセアセ・・・
2008年03月12日 20:20
「クラマーズ・ハイ」、読まれましたか。作者の元新聞記者という経歴をいかした、一気に読ませるお話ですね。ただ、山岳小説というのには、どうかなと思っています。新しい才能が出てきて、新しいお話が出てくるので、小説の興味は尽きませんね。
2008年03月12日 21:24
ご訪問・コメント戴き有難うございます。

やまおやぢ様
 灯台元暮らしというより、最近、ようやく見直されてきたというか、「冒険・探検」が正当に評価され始めた結果といおうか、マイブームな南極関連で「白瀬中尉」が出てきました。大隈重信が出てくるあたりも面白いですよ。「白瀬南極探検隊記念館」楽しみだな~。

さすらい人様
 読み終えるのに時間がかかってしまいました。ラストに向かってグイグイ引き込まれていきますね。新聞小説の「美女いくさ」も終わったし、暫く本読みはお休みかな・・・。と、おもいきや、「小説現代」ハゲタカ第3弾「レッドゾーン」の連載が始まって図書館通いはやめられません(笑)。
2008年03月13日 02:37
横山秀夫氏と言えば「半落ち」そして「クライマーズ・ハイ」の2冊読みました。映像(映画・テレビ)でも観ました。
「半落ち」は原作と映画がチョット違っていて、「半理解」??
その後、色々と現実性云々で物議を醸し、直木賞と決別したとか。
「クライマーズ・ハイ」も純粋な「山岳小説」ではないですよね。
チョット旧いですが大佛次郎の「旅路」も主人公が後半「針ノ木岳」に登るということでガイドブックに紹介されていますが。
「クライーーー」は新聞社内部小説だと思いますが・・・
が、登場人物が山に登るという場面が出てくるだけで、俄然と輝きが増すように思われますね。そして読んでみたくなる!高村薫「マークスの山」も北岳が出てくるというだけで読みました(笑)
「白瀬中尉」は私の脳内には存在していない方でした。
でも、今、しっかり脳内に納めました(笑)
すみません、くだらないことを長々と・・・
追伸:Y新聞の新しい連載は好み外で2~3日読みましたが、止めました。
よしだ
2008年03月13日 06:18
「クライマーズ・ハイ」は2回読みました。
NHKのドラマも2回見ました。
書評によっては、クライミングシーンは要らないのでは?ということを言う人もいますが、クライミングの展開と日航機事故や親子関係の葛藤が重なって描かれているのですよね。
それが最後に息子が打った一枚のハーケンに悠木が手を伸ばしてアブミをかけるというシーンでひとつになるわけですよ。
名作ですよね。
2008年03月13日 08:14
ご訪問・コメント戴き有難うございます。

noritan様
 では、次は「半落ち」にトライ!してみます。
>登場人物が山に登るという場面が出てくるだけで、俄然と輝きが増すように思われますね。そして読んでみたくなる!高村薫「マークスの山」も北岳が出てくるというだけで読みました(笑)
そうですね、御陰様で、谷川や北岳もまた本のエピソードを反芻しながら歩く楽しみが増えますね。私には「純山岳小説?」よりは上記二冊位、山の雰囲気を楽しみながら、人間の心の葛藤を描く話が、読み心地が良いです。追伸の件、私も同じです。「川の光」第二弾、予定は無いのかな???。

(続く)
2008年03月13日 08:27
(続き)
よしだ様
 体調はいかがですか?もうすぐ雪割草が咲き揃いますね~。バリバリのクライマーのよしだ様も(当然ながら)この本のファンでしたか。まぁ、私が勝手に題名に対して懐疑的になっているだけの事です。内容もカバーの絵も楽しめましたから。小説の構想段階で作者は初めから「クライマーズ・ハイ」を使いたかったんだろうなと。写真もそうですが、作品の題名、ホント悩ましいものです。